【おすすめの10枚】 ⑦ 小松崎健『DARK ISLAND』


【おすすめの10枚】
⑦小松崎健『DARK ISLAND』

ハンマーダルシマーで30年以上のキャリアを持つ、小松崎健さん。日本で”ケルト音楽”という呼称?が生まれるずっと前から、アイルランド音楽を中心に民族に根ざす音楽を掘り下げ続けてきたミュージシャンです。

健さんと出会ったのは、2008年。浜田隆史さんから紹介していただきました。場所は小樽運河でしたね。翌2009年から年に1回札幌で共演を繰り返すようになりました。しばらくはそれだけの関係でしたが、距離が一気に縮まったのは2017年に敢行した中部〜関西ジョイントツアーでした。この時は10日間で11公演。いやーようやった。
このツアーは私の中でとても大きな旅でした。健さんの紹介でたくさんの素晴らしい方々、会場と出会うことができました。何より二人で作る音楽がとても充実していたと思います。

移動は私の車なので、ずっと喋ってました。
音楽の話もたくさんしましたが、印象に残っているのは数々の”しょっぱい体験談”ですね。ずっと音楽活動をしていると、当然良い時間ばかりとはいきません。嫌なことを言われたり、無駄足を踏んだり、過ぎてしまえばお互いのそうした体験は、面白い財産になるものだと思いました。

アルバム『DARK ISLAND』はハンマーダルシマーのソロで紡いだ12篇で構成されています。

1曲目『DARK ISLAND』は、元々バグパイプのための曲だそう。ネット検索するとパイプを始めとしたいろいろな編成が出てきて楽しめますが、健さんのバージョンは何にも似ておらず、透明感が抜群です。この着色のない純粋さは、どんな風景、感情にも合うのではないでしょうか。

2017年のツアーでも強く感じたことですが、健さんは音色をとても大事にしていて、それも、音色そものもよりも”どのように聴こえるか”を大事にしていると感じました。
”その音”を”そのように”聴かせるために自分がどう動くか。楽器奏者はその楽器という制限の中でそれを追求するものですが、現代ではテクノロジーの発展に伴い、その制限を取り払う方向にプレイヤーの思考がシフトしている気がします。”ギターなのにギターの音じゃないみたいですごい!”と言われたい、みたいな・・・私は古いタイプなので、ギターの音がしないギター演奏をわざわざ聴きたくないんですよね・・・

健さんのダルシマーを聴くと、器楽奏者が何を見つめている生き物なのかを再認識させられる気がするのです。

アイルランド/スコットランドの名曲を中心に、健さんのそんな視線を存分に感じることができる、珠玉の1枚です。やはりラストの『緑のワルツ』は泣けます・・

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【おすすめの10枚シリーズのコンセプト】2020.4.4
「こんな時には、とてもじゃないけど音楽を聴く気にはならない…」
私もその気持ちはよくわかります。

しかし、最近気づきました。
直接の面識のある友人達のアルバムからは、まるで彼らと楽しく話をしているような、そんな気持ちを貰えるという事を。

これから10枚ほど、そんな友人達のアルバムを紹介していこうと思います。
日常的にライブ活動をしている人たちばかりなので、この騒動が収まれば、誰でも直接会って話ができる人たちの音楽です。

この記事を読んで、10枚をコンプリートしてくれると嬉しいですね。